はじめに
「不動産投資はサラリーマンでも始められる副業」と言われ、人気を集めています。
私自身も不動産投資に関心を持ち、物件資料を取り寄せたり、現地調査をしたりと動いてきました。
けれども、実際に物件を見て数字を計算してみると、想像していた以上にシビアな世界だと気づかされます。
満室利回りが11%と書かれていて「これはお得かも」と一瞬思っても、空室リスクや修繕費を考慮すると実際にはキャッシュフローがほとんど残らない。
そういうことが何度もありました。
この記事では、そんな経験を踏まえて「不動産投資に向いていない人の特徴」を5つ紹介します。
これから始めたい初心者の方が、失敗を避けるためのヒントになれば幸いです。
不動産投資に向いていない人の特徴
特徴① 短期間で成果を求めすぎる人
不動産投資は「不労所得だからすぐに儲かる」と思われがちです。
私も最初は「買えば翌月から家賃収入が入るし、すぐ黒字になるのでは」と期待していました。
ところが、実際にシミュレーションすると現実は甘くありません。
例えば家賃が月3万円の物件を見たとき、満室で計算すると利回りは11%ほど。
しかし空室が1戸出るだけで利回りは一気に下がり、修繕費を積み立てると手残りはごくわずか。
「半年後には大きな収益が残るだろう」と考えていたら、確実に落胆していたはずです。
不動産投資は短距離走ではなくマラソン。じっくり時間をかけられない人には向いていません。
特徴② リスクを把握しないまま始める人
不動産投資に失敗する人の多くは、リスクを軽視しています。
私も最初の頃、仲介業者から「表面利回り◯%」と言われて安心しかけました。
でも、よく考えるとその数字は「満室稼働」が前提。
現実には空室、修繕、家賃下落といったリスクが必ず存在します。
実際に、築古アパートを見学したときのこと。3戸中2戸が空室で、家賃は2万円台。
「埋まれば利回りは良い」と言われましたが、私の頭の中では「なぜ空室が埋まらないのか」という疑問が消えませんでした。
もし購入しても、入居付けに苦労し、広告費やリフォーム費用で収益が吹き飛んでいたでしょう。
数字の裏側に潜むリスクを直視できない人は、不動産投資に向いていないと感じます。
特徴③ 借入(ローン)が怖すぎる人
不動産投資の大きな特徴は「融資を使ってレバレッジを効かせられる」点です。
私も法人を設立して金融機関に相談しましたが、審査は簡単ではありません。
地元の信用金庫に持ち込んだときも、収益計算や返済比率について細かく確認されました。
正直「こんなに厳しいのか」と思ったこともあります。
それでも融資を受けなければ規模拡大はできません。
借金に強い不安を感じる気持ちは理解できます。
しかし「ローンは怖いから現金でしか買わない」となると、投資効率が極端に悪くなります。
借入を敵視するのではなく、「どうすれば安全に返済できるか」と戦略的に考えられない人は不動産投資に向いていません。
特徴④ 学ぶ姿勢がない人
不動産投資は「買って放置していれば儲かる」というものではありません。
購入後こそ勉強の連続です。
例えば、空室が埋まらないときは「家賃を下げるべきか」「広告費を増やすべきか」「設備を改善すべきか」を判断しなければなりません。
また、税務についても確定申告の際に「減価償却をどう計上するか」で手残りが大きく変わります。
私自身、最初は「難しいから税理士に任せればいいや」と思っていました。
ところが、実際に経費の計上方法を勉強すると、節税の余地が見えてきて「知っているかどうか」で差がつくことを痛感しました。
学ばずに他人任せにすると、無駄な支出が増え、収益が伸びません。
知識をアップデートし続けられるかどうかが、不動産投資を長く続けられるかの分かれ道だと感じています。
特徴⑤ 家計に余裕がない人
最後に最も重要なのが、家計に余裕があるかどうかです。
私は「全空になってもローンを払えるか」という視点を常に持つようにしています。
過去に検討したアパートでも、返済比率を試算した結果「全空でもなんとか払える」と確認できたときに初めて「アリ寄りかも」と思えました。
逆に、生活費や教育費とギリギリの状態で投資を始めるのは危険です。
エアコンや給湯器の故障で数十万円、外壁修繕で数百万円という出費は現実に発生します。
そうした費用を捻出できないと、投資どころか家計が破綻しかねません。
余剰資金を持ち、最悪のケースでも耐えられる人こそ、不動産投資を健全に続けられます。
失敗したくないという人はチェックリストなどを用意して、可能な限り失敗する要素を少なくしておく必要があると思います。
不動産投資に向いている人の特徴
ここまで「向いていない人」の特徴を紹介しましたが、逆に向いている人の特徴を整理すると次の通りです。
- 長期的に資産形成を考えられる人(短期で成果を求めない)
- リスクを数値化して計算できる人(キャッシュフローを冷静に見られる)
- 融資を戦略的に活用できる人(返済比率を管理できる)
- 学び続ける姿勢がある人(改善を繰り返せる)
- 家計に余裕がある人(最悪のケースでも生活に支障をきたさない)
私自身もまだ道半ばですが、この5つを意識することで「買ってよかった」と思える物件に近づけると感じています。
まとめ
不動産投資は、誰にでもおすすめできる投資ではありません。
特に、短期間で成果を求めたり、リスクを軽視したり、家計に余裕がない人は失敗する可能性が高いです。
一方で、長期的な視点を持ち、リスクを計算し、学び続ける姿勢があれば、不動産投資は安定した資産形成の手段になり得ます。
大切なのは「自分は不動産投資に向いているのか、それとも向いていないのか」を冷静に判断すること。
私自身も試算や現地調査を繰り返しながら「本当に続けられるのか」を常に問い直しています。
この記事が、これから不動産投資を始めようとする方にとって、自分に合っているかを見極める材料になれば嬉しいです。
 
  
  
  
  
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