不動産投資で一番のハードルは「良い物件を見つけること」だと思われがちですが、実際にやってみると、それ以上に大きな壁として立ちはだかるのが金融機関からの融資です。物件が魅力的でも、融資がつかなければ買うことはできません。今回は、私が某県で検討した物件に対して複数の金融機関へ打診した経緯を、できるだけリアルに書いてみます。これから不動産投資を始めたい方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。
大津市の物件に挑戦
今回検討したのは、某県にある小規模なアパート物件です。築年数はやや古いものの、立地としては滋賀県内でも人口流入のあるエリアで、賃貸需要も安定していると感じました。表面利回りはおおよそ11%前後。修繕リスクを考慮しても、キャッシュフローは黒字が見込める水準です。
間取りは単身向けが中心で、近隣には大学や工場もあり、ターゲット層も明確です。外壁や共用部に多少の修繕は必要ですが、致命的な劣化はなく、自己資金の範囲で対応可能だと判断しました。
私自身、すでに築古戸建を一棟購入していますが、法人設立後の「法人1棟目」として中規模物件を狙っていました。狙いは二つ。
- 法人の信用力をつけるために実績を積みたい
- 融資を使って規模を拡大する第一歩にしたい
この物件は、まさにその条件に合う案件でした。
滋〇銀行への打診とNGの現実
最初に動いたのは滋〇銀行。物件を購入するなら、まず候補に挙がる地方銀行です。銀行がある県以外でも対応してもらえて、個人の不動産投資家には非常に使いやすい銀行と言えます。私は以前にも同規模のアパートで仮審査が通っていた経験があり、今回も前向きに検討してもらえるのではないかと期待していました。
ところが、結果はNG。
銀行からは明確な理由は示されませんでしたが、担当者との会話から推測すると、以前に承認直前で流れてしまった案件が影響している可能性が高そうです。いわゆる「出禁」に近い扱いを受けてしまったのかもしれません。
詳細は以下の記事に記載しています。↓
【失敗談】郊外アパート投資で買えなかったのに12万円の請求?|築古投資のリアルな落とし穴
同じ物件規模・同じエリアでも、過去の経緯によって評価が変わるのが金融機関の世界。こればかりは投資家側ではコントロールしにくい部分ですが、「一度断られると再挑戦が難しい」という現実を痛感しました。
地元の中央信用金庫での挑戦
次に相談したのは、居住地にある中央信用金庫(通称「中信」)。私自身、すでに中信とは一定の付き合いがあり、個人属性や法人設立の経緯などの資料も渡している状態でした。
中信では、プロパーローンとセゾンローンの両面で検討してもらえることに。プロパーは銀行独自の融資枠、セゾンは信金とクレディセゾンが提携したスキームで、比較的柔軟に融資が進む可能性があります。
担当者からは「セゾンなら一次回答が来週中には出そう」と前向きなコメントももらいました。スピード感があり、投資家としては非常にありがたい対応です。
ここで感じたのは、やはり日頃からの付き合いの大切さ。不動産投資をしていなくても、メインバンクや近しい金融機関との関係を少しずつ作っておくことが、いざというときに大きな差になると実感しました。
関〇みらい銀行へのバックアップ打診
さらに、リスク分散のために関西みらい銀行にも打診しました。物件規模や立地から考えると、関西みらい銀行も候補として悪くないと考えたためです。
この段階ではまだ審査結果は出ていませんが、「1棟目を買って実績をつけたい」という目標を達成するためには、同時並行で複数の銀行に打診する戦略が欠かせないと学びました。1行に絞って時間をかけてしまうと、融資NGだった場合に大きなロスになるからです。
融資打診を通じて学んだこと
- 同じ物件でも銀行ごとに評価は全く違う 滋賀銀行NGでも、中信や関西みらいは検討してくれる。
- 過去の経緯が融資判断に影響する 一度の案件中止が、その後の融資にネガティブ要因として残る。
- 複数行への打診が必須 「ダメなら次!」という切り替えを早くするためにも重要。
- 実績の壁を超えるには最初の1棟が鍵 どんなに属性が良くても、実績ゼロでは動きにくい金融機関が多い。
融資打診は「数」と「タイミング」が勝負
今回、複数行へ並行して打診してみて強く感じたのは、融資打診は「数」と「タイミング」がすべてだということです。ひとつの銀行に時間をかけすぎると、結果がNGだった場合に数週間から数か月を無駄にしてしまいます。その間に物件は他の投資家に取られてしまうかもしれません。逆に、並行して動いておけばどこかが進んでいる間に次の選択肢を残せます。
また、銀行によって「いま不動産に積極的かどうか」という温度感が違います。決算期前やエリアの方針転換によっても融資姿勢は変わります。だからこそ、同じ属性・同じ物件でもA銀行では通らず、B信金では通るということが普通に起こります。投資家としては、金融機関の姿勢の変化を読みながらタイミングよく提案していくことが成功のカギになると感じました。
今後の戦略
今回の物件がもし進まなかったとしても、それはそれで仕方がないと思っています。大事なのは、融資打診の経験を積み、金融機関との関係を広げていくこと。
特に法人名義での融資は「1棟目のハードル」が非常に高い。だからこそ、最初は多少の妥協をしてでも実績をつけ、2棟目・3棟目とスケールしていく戦略が必要だと改めて感じました。
まとめ
「融資打診のリアル」と題して、今回の大津市物件をめぐる金融機関への挑戦を書いてみました。
- 滋〇銀行ではNG
- 中央信用金庫ではプロパーとセゾン両方で検討中
- 関〇みらい銀行にもバックアップ打診
結果がどうなるかはまだわかりませんが、少なくとも一つ確かなのは「融資打診は断られて当たり前」ということ。落ち込むよりも、次の金融機関へ切り替えて動き続けることが投資家には求められるのだと思います。
これから不動産投資を始めようとしている方に伝えたいのは、「融資は一発勝負ではない」ということ。複数の銀行に並行して打診し、数を打ち、信頼関係を作りながら、少しずつ道を切り開いていくものです。
私もまずは1棟目の実績をつけ、次のステップにつなげていきたいと思います。
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